デジタルコンテンツの普及が進む現代でも、大切な思い出や重要なデータをDVDやブルーレイディスクに保存したいというニーズは依然として高いものがあります。しかし、「オーサリングとは?」「どのオーサリングソフトを選べばいいのか分からない」「初心者でも使いやすいソフトはどれか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、オーサリングソフトの基本から選び方、そして2025年最新のおすすめDVDオーサリングソフト7選まで詳しく解説します。自分に合ったソフトを見つけて、高品質なDVDを作成してみましょう。
オーサリングソフトとは
オーサリングソフトとは、動画や音声、画像などの各種デジタルコンテンツを編集・加工し、一つのメディアとして統合するためのソフトです(DVD焼くソフト、DVD作成ソフト、DVD書き込みソフトとも呼ばれます)。特にDVDやブルーレイディスクのオーサリングでは、動画ファイルをディスクに書き込むだけでなく、メニュー画面の作成、チャプター設定、字幕の追加、複数の音声トラックの設定など、プロフェッショナルな映像作品のような仕上がりを実現することができます。

従来は専門的な知識や技術が必要とされていたこれらの作業も、現代のオーサリングソフトでは直感的なユーザーインターフェースと豊富なテンプレートが用意されているため、初心者でも簡単に高品質なDVDやブルーレイディスクを作成できるようになっています。結婚式DVDや卒業式DVDの作成など、様々な用途で活用されています。

近年では、高度な機能を搭載するオーサリングソフトも増えており、ユーザーに多様な選択肢を提供しています。優れたDVDオーサリングソフトの主な機能としては、以下のようなものがあります。
- 動画ファイルのインポートと編集
- メニュー画面の作成とカスタマイズ
- チャプター設定
- 字幕・サブタイトルの追加
- 複数の音声トラックの設定
- DVD/ブルーレイディスクへの書き込み
- ISOイメージファイルの作成
- DVD-Videoフォルダの作成
オーサリングソフトを選ぶポイント

オーサリングソフトは数多く存在しますが、自分の目的や技術レベルに合ったものを選ぶことが重要です。以下に、オーサリングソフトを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
1. 対応フォーマットの確認
作成したいDVDやブルーレイで使用する予定の動画フォーマット(MP4、AVI、MKV、MOVなど)や音声フォーマットに対応しているかを確認します。対応フォーマットが限られていると、別途変換ソフトを使用する手間が発生します。
2. 編集機能の充実度
単にディスクに書き込むだけでなく、動画のトリミングや結合、フィルター効果の適用、テキストの挿入など、どの程度の編集機能が必要かを考慮しましょう。プロな仕上がりを求めるなら、高度な編集機能を備えたソフトが適しています。一方、単に動画をディスクに焼くだけなら、基本的な機能だけで十分な場合もあります。
3. メニュー作成の自由度
DVDやブルーレイディスクの魅力の一つは、メニュー画面です。自分だけのオリジナルメニューを作りたい場合は、背景やボタンのデザイン、アニメーション効果などを細かく設定できるソフトがおすすめです。
4. 使いやすさとユーザーインターフェース
特に初心者の方は、直感的に操作できるインターフェースを持つソフトを選ぶことが重要です。複雑な機能が充実していても、使いこなせなければ意味がありません。無料体験版やデモ版を試してみて、自分に合った操作性かどうかを確認するとよいでしょう。
5. 価格とライセンス形態
無料のフリーソフトから高機能な有料ソフトまで、価格帯は様々です。また、買い切り型と定期購入型(サブスクリプション)があります。無料ソフトでも十分な機能を持つものもありますが、サポートや更新頻度を確認することも大切です。
6. システム要件と互換性
お使いのパソコンのOSやスペックに対応しているかを確認しましょう。Windows専用、Mac専用など、様々なバージョンがありますから。
7. サポートとコミュニティ
問題が発生した際のサポート体制や、ユーザーコミュニティの活発さも選択の基準になります。特に日本語のサポートがあるかどうかは重要です。フリーソフトの場合、この分野で欠けています。
DVDオーサリングソフト7選
それでは、2025年現在おすすめのDVDオーサリングソフト7選を詳しく紹介します。それぞれの特徴や長所・短所を比較し、自分に最適なソフトを見つけましょう。
1. チャプター作成可能な「Leawo DVD作成」
Leawo DVD作成は、様々なフォーマットの動画をDVD-5/DVD-9に変換・書き込むことができる多機能なDVD作成ソフトです。内蔵された40種類以上のテンプレートを使って、オリジナルDVDメニューを簡単に作成でき、初心者から中級者まで幅広く対応できる機能を持つソフトです。特に高品質なメニュー作成や動画編集機能を重視する方におすすめです。

☉ あらゆる形式の動画や画像からDVDディスクを作成。
☉ 無料で豊富なメニューテンプレートを提供、DVDメニューを自由に編集。
☉ 1クリックでISOファイルをDVDディスクに焼く。
☉ 写真スライドショーを作成してDVDディスクに焼く。
☉ 実用な追加機能でより強力なDVD作成ソリューションを提供。
Leaw DVD作成で動画をDVDに書き込む方法
- Leawo DVD作成をダウンロードしてインストールした後、ソフトを起動し、「 Blu-ray/DVD作成」機能を選択します。
- 「DVDに追加」ボタンをクリックして動画ファイルを選択します。動画の概要が表示されます。
- ディスクメニューの作成や動画の編集ができます。
- ソフトの右上にある「書き込み」をクリックして、ディスクの出力形式を選択します。動画を直接DVDに書き込むか、ISOファイル/DVD-Videoフォルダに出力することができます。最後に、「OK」をクリックしてDVD作成プロセスを開始します。書き込みが完了したら、DVDを取り出せばいいです。
長所:
- 多様な動画フォーマット(MP4、AVI、MKV、MOV、FLVなど)に対応
- 豊富なメニューテンプレートとカスタマイズ機能
- 動画をそのままDVDに書き込めるので、一番使いやすい。
- 2D動画から3D DVDへの変換機能
- トリミング、字幕追加、ウォーターマーク挿入などの編集機能
短所:
- 無料版では5分間しか書き込めないという制限あり
2. 無料で使える「ImgBurn」
ImgBurnは、軽量で高速なディスク書き込みソフトとして定評があります。特にISOイメージファイルからDVDへの書き込みに強みを持ちます。シンプルにデータやISOイメージをディスクに焼きたい方や、軽量なソフトを求める方に適しています。ただし、オーサリング機能を重視する場合は別のソフトと組み合わせて使用したほうがいいかもしれません。

長所:
- 完全無料で使用可能
- 非常に軽量(ポータブル版は約3MB)でシステムへの負担が少ない
- 動作が高速でサクサク操作できる
- ISO 9660互換やUDFなど様々な書き込み方式に対応
短所:
- メニュー作成やビデオ編集など高度なオーサリング機能は限られている
- 一部のミラーサイトからダウンロードするとアドウェアが混入する危険性
- BDに関しては動作が不安定になることがある
- UIが初心者には分かりにくい場合がある
3. 無料でロゴなし「DVDStyler」
DVDStylerは2003年にリリースされたオープンソースのDVDオーサリングソフトで、Windows、Linux、Macの各プラットフォームで使用できます。GNU GPLライセンスの下で完全無料で提供されています。メニュー作成に力を入れたいユーザーや、無料でありながら高度なオーサリング機能を求める方に適しています。ただし、安全なソースからダウンロードする注意と、作成後の互換性チェックが必要です。

長所:
- 完全無料でロゴや透かしなどが入らない
- クロスプラットフォーム対応(Windows、Linux、Mac)
- メニュー作成の自由度が高く、カスタマイズ性に優れている
- ドラッグ&ドロップによる直感的な操作
- MPEG、MP4、AVI、MOVなど多様な形式に対応
短所:
- フリーソフトのため、ダウンロードサイトを間違えると危険
- PAL設定になる場合があり、一部のプレイヤーで再生できないことがある
- LPCMで音声を作成すると互換性の問題が生じることも
- 最終的なチェック機能が不十分で規格外のDVDができることがある
4. Mac専用ソフト「Burn for Mac」
Burn for Macは、macOS専用に開発された軽量かつシンプルなディスク書き込みソフトです。DVDだけでなく、CD、データディスク、オーディオディスクなど様々なタイプのディスク作成に対応しています。MacユーザーでシンプルなDVD作成を求める方や、基本的な機能だけで十分という初心者の方におすすめです。余計な機能がなくシンプルな点が魅力です。

長所:
- Macユーザー向けに最適化された使いやすいインターフェース
- 軽量で動作が軽快
- 基本的なDVDビデオディスク作成機能を無料で利用可能
- シンプルで直感的な操作性
- macOSの標準機能と連携しやすい
短所:
- Windows版がなくMac専用である
- 高度なメニュー作成や編集機能は限られている
- 大規模なプロジェクトには機能不足の可能性
- アップデートの頻度が低い場合がある
5. 幅広い動画形式対応可能な「DVD Flick」
DVD Flickは、様々な動画形式に対応し、それらをDVDビデオ形式に変換して書き込める無料のDVDオーサリングソフトです。シンプルながらも必要十分な機能を備えています。多様な形式の動画ファイルをDVDに変換したい方や、無料でシンプルなDVD作成ソフトを求める方に適しています。特に互換性の高さが魅力です。

長所:
- 100種類以上の動画フォーマットに対応
- 完全無料で使用可能
- 基本的なメニュー作成機能
- 字幕のサポート
- シンプルな操作性
短所:
- Windows専用でMacやLinuxには対応していない
- 高度なメニューカスタマイズ機能に制限がある
- ユーザーインターフェースがやや古い印象
- 大きなプロジェクトでは処理速度が遅くなることがある
6. 無料ですが機能が制限された「DVD Memory」
DVD Memoryは、動画編集ソフト「Filmora」で知られるWondershare社の製品で、初心者でも簡単に使えるUIと基本機能を備えたDVD作成ソフトです。初心者向けの分かりやすさを重視する方や、既にFilmoraなど他のWondershare製品を使用している方におすすめです。簡単操作でそこそこの品質を求める場合に最適です。

長所:
- 初心者でも分かりやすい直感的なインターフェース
- 基本的なDVD作成機能が一通り揃っている
- 豊富なテンプレートとデザイン素材
- Filmora等の他Wondershare製品との連携が良好
- 日本語サポートが充実
短所:
- 無料版では機能制限や透かしが入る
- 有料版の価格がやや高め
- 高度な編集機能はFilmoraなど別製品が必要
- 一部のフォーマットには対応していない場合がある
7. Window標準機能「Windows エクスプローラー」
実は多くの方が見落としがちですが、Windows 10や11には標準でDVDに書き込む機能が搭載されています。Windows エクスプローラーを使って、基本的なデータDVDを作成することが可能です。単純にファイルをDVDに書き込みたい場合や、余計なソフトをインストールしたくない方におすすめです。注意すべきのは、このディスクで作成したDVDはプレーヤーでの再生に対応していません。(原因は記事『データDVDとビデオDVDの違い』をご覧ください。)

長所:
- 追加ソフトのインストールが不要
- Windows OSに標準搭載されているため安定性が高い
- シンプルで分かりやすい操作性
- マルウェアなどのリスクがない
- 無料で使用可能
短所:
- メニュー作成やチャプター設定など高度なオーサリング機能がない
- 対応フォーマットが限られている
- 細かいカスタマイズができない
- ブルーレイへの対応が不十分な場合がある
ソフトの比較

DVDオーサリングソフトには、無料から有料まで、また簡単なものから高機能なものまで様々な選択肢があります。以下の比較表を参考して、自分の目的や技術レベル、予算に合わせて最適なソフトを選ぶことが重要です。
ソフト名 | 価格 | 対応OS | 編集機能の充実度 | DVDメニューとチャプター作成 | 使いやすさ | サポート | 主な特徴 | おすすめユーザー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Leawo DVD作成 | 無料版/有料版 | Windows, Mac | 動画編集可能 | メニューとチャプター作成可能 | ★★★★★ | あり | 多機能、3D対応、高速書き込み | 初心者〜上級者 |
ImgBurn | 無料 | Windows | 編集不可 | メニューとチャプター作成不可 | ★★★★ | なし | 軽量、高速、ISO対応 | シンプルさ重視の方 |
DVDStyler | 無料 | Windows, Linux, Mac | 編集不可 | メニューとチャプター作成不可 | ★★★ | なし | クロスプラットフォーム、高自由度 | 無料ソフトを求める方 |
Burn for Mac | 無料 | Mac | 編集不可 | メニューとチャプター作成不可 | ★★★★★ | なし | macOS専用、シンプル | Mac初心者 |
DVD Flick | 無料 | Windows | 動画編集可能 | メニューとチャプター作成可能 | ★★★ | なし | 多形式対応、シンプル操作 | 多様な動画形式を扱う方 |
DVD Memory | 無料版/有料版 | Windows, Mac | 動画編集可能 | メニュー作成可能;チャプター作成不可 | ★★★ | あり | 直感的UI、テンプレート豊富 | Filmora利用者 |
Windows エクスプローラー | 無料(OS標準) | Windows | 編集不可 | メニューとチャプター作成不可 | ★★ | なし | インストール不要、安定性 | 追加ソフト不要派 |
結論
- 初心者におすすめ: Leawo DVD作成、Burn for Mac
- 中級者におすすめ: DVDStyler、DVD Flick、
- 上級者におすすめ: ImgBurn、Windows エクスプローラー
本格的なDVDオーサリングを行いたい場合は、Leawo DVD作成が一番便利です。このソフトは、動画の変換を行う必要がなく、そのままプレーヤーで再生できるDVDに書き込むことができます。
無料で十分な機能を求めるなら、DVDStylerやDVD Flickが優れた選択肢です。Mac専用ならBurn for Macが使いやすいです。データDVDを作成したい場合、Windows標準機能エクスプローラーも十分実用的です。
では、オーサリングソフトを活用して、思い出の動画や大切なデータを美しく整理し、長く保存しましょう。